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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第13章 遺された・・・意味

『ケイゴくん・・・どうして??』



カンナのお母さんが
キョトンとする




『これ・・・本当に

カンナが大事にしてたから』




やたら女の子っぽい

可愛い付箋なんかが

あちこちについているわりに

キズひとつ見当たらない

新品同様の本





『クス・・・だったら

だったら・・・それは

あなたがもらってあげて?』





お母さんは…にこり、と微笑む

カンナを思わせる

本当に優しい笑顔で




『でも・・・』






『ケイゴくんに・・・、それも

∥今のケイゴくん∥に使ってもらう方が

その本も…きっと幸せよ』





『・・・』





『カンナも・・・それが

いちばん喜ぶと思うわ』







カンナとそっくりの…お母さんの笑顔に

オレはまた、涙が滲んできて





『グスっ・・・∥これ∥が…あったら

アイツが・・・そばで

∥ちゃんとやれ!∥・・・って

言ってくれるんじゃないか

なんて・・・思って・・・』






『ケイゴくん・・・』





『おばさん・・・ハハッ…オレ本当に

アイツと違ってさ・・・
ちっとも真面目じゃないし

本当に・・・アイツと違って
ちっとも…強くないし

情けないくらい
ダメなヤツだからさ・・・』





『ケイゴくん・・・~』



カンナのお母さんは

何度も…何度も

ただ、『うん、うん』とうなずいて

聞いてくれていた

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