テキストサイズ

Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第13章 遺された・・・意味

『・・・』

返す言葉が見つからずにいるオレを前に
カンナのお母さんは

更に涙を目にいっぱいにして



『本当に…どれだけ絞りだしても

中々・・・涙は、なくならないのねぇ…グス』




『おばさん・・・』






『でも・・・∥遺された私たち∥…は』





『・・・ぇ』




『遺された人間は・・・

生きている人間は・・・

どんなに悲しくても…辛くても

苦しい事があっても・・・

前を向いて

生きていかなくちゃならないから』






『・・・』


辛い現実と…重く…誠実な

カンナのお母さんの一言だった






『だから、ケイゴくん?

あなたも…この先の∥あなたの人生∥を

前を向いて…生きて行ってちょうだい』







『・・・』


娘を亡くした優しいお母さんの

その痛みと…精一杯の思いやりのある言葉











『ケイゴくん・・・あの子…

カンナの分まで・・・∥元気に∥

・・・しっかり生きてね』






お母さんは…涙を堪えながら

一生懸命に笑顔を見せて

オレを見送ってくれた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ