テキストサイズ

Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第13章 遺された・・・意味

生きている人間は・・・前を向いて



・・・か。








なんで、カンナなんだ

って、オレは何度となく思ってきた


見たこともない神様、なんて存在に

その憎しみをぶつけてみたり




だけど…そのカンナは

一度も…誰にも

恨み言ひとつ言わなかった





∥『何かの罰で病気になるのではない』∥




闘病中の…カンナの言葉

オレは忘れることなく覚えてる


それは…彼女の遺した言葉や

あの日記帳をみても

同じだった




そして・・・



∥『限りがあるから尊くて

終わりがあるから…頑張れる』∥




と言う言葉も。




彼女は…その言葉通りに



人よりもうんと短かった

人生のリミットの中で



毎日を…精一杯

その人生を…生き抜いた。






いつでも…その小さな体で

∥すべて∥を・・・受け入れていた。





強くて・・・やさしくて


気高い・・・その姿。





カンナの生きざまを…見つめて




オレは…だんだん・・・徐々にだけど



そういう

やり場のない憎しみのような感情は

薄れて行ったと思うんだ






そして・・・今日、今現在

生きているオレは



命があって

生かされているオレは



その人生の中に

まだ∥やるべきこと∥が

きっと…あるのだろうか




今は…はっきりと見えなくても



この先・・・ずっと先に




オレが生かされている意味




オレが・・・遺された意味が

ストーリーメニュー

TOPTOPへ