テキストサイズ

Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第13章 遺された・・・意味

その訳は…あまり考えずとも

オレにだって自然とわかってくることで。



元々、共働きで

あまり家にいなかった母さんが

最近、こんな風に帰りが遅いのに加え



父さんも…偶然すれ違いかどうか

出張とか、残業続きとかなのか

ここ何日か…顔を合わせていない




二人とも…なんのために

誰のために、そこまで

頑張ってるのか


誰よりも、このオレに

わからないはずがなかった




突然、突拍子もない事を言い出して

めちゃくちゃに金のかかる

大学なんかを選んだオレと



あと数年…も、しないうちに

弟のリョウキだってきっと

大学に進むだろう




そのために

必死になってくれている



実生活で、そんな自分の親の姿を

目の当たりにしたり。




『母さん・・・』



オレは忙しく動く母親を呼び止めた





『米だけ・・・炊いてあるから』





オレの一言に母さんは

ちょっと驚いたように目をまるくした





『ぇ?・・・あ・・・ほんとだ。

え~…ケイゴありがとう

助かっちゃった~』





大げさだな、とか思いながら

声を高らかにする母さんに

さっさと背を向ける





別に、たまたま早く帰っただけだ


実家にいるからって

やろうと思えば自分の事くらい

自分で出来るし



ただ、それだけのこと。






『オレ風呂…わかしてくるよ』




『ケイゴ~?』



『???』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ