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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第14章 振り向けば・・・いつも君だけが

「ざけんなっ!このバカヤロゥっ!!」




トラックの運ちゃんの罵声が聞こえて

目を開けると



『・・・っ』

『ハァ…っ…ハァ……ハァっ・・・』





オレは桜子を抱えて

歩道に乗り上げるように転んでいた






『ケイゴ・・・なんで』



『ハァ…っ…ハァ…っ・・・なんで?

じゃ・・・ないだろ・・・・っ…ハァ』






『・・・』



『ケガ・・・ないか?』





咄嗟に…夢中で

彼女の頭と体を…必死に抱えてた


その無事を確かめながら

ゆっくり体を起こす




『・・・うん。・・・

・・・っ?!・・・ケイゴっ!?』




『・・・っ…ッ…ぅ・・・』




桜子が我にかえるように叫ぶ


それと同時に

オレの体にビリビリと痛みがはしって


左半身・・・腕や背中に

表皮か真皮か……皮膚が裂けたのがわかる

痛みが響きわたる





∥いってぇ・・・∥






『ケイゴ・・・…ごめ』



そう言いかけて

手を伸ばそうとした桜子が



その手を引っ込めてオレに背を向け


橋に身を乗り出すように

そこに手をかける






『・・・・・・桜子っ!?』




『・・・~もうやだ。つまんない』





『・・・桜子、なにしてるんだっ

~~さっきから・・・っ』






柄にもなく…駄々でもこねるような

言ってみたらそれは

彼女のやけくそみたいなもの



それは…オレにもわかっていたんだけど




オレのせいだけど



・・・だけど







『・・・∥死んでやる∥』





『・・・』




その…一瞬の…たった一言に



オレは、橋に手をかける彼女を

力任せに…引きずり戻して





・・・パチン…っ





その…柔らかな頬に

平手打ちをした






生まれて・・・初めて



女の子に・・・手をあげた

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