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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第2章 きいろい花

『うーん・・・なんで?って言われると

なんとなぁくだけど

バイトとかで見てても…なんか

滝川くんて・・・』






顎に人差し指を立てて
少し考え込むソイツの仕草を


オレはなんとなく
目で追っていた








『〃やろうと思えばなんでも出来る人〃

に…見えるって・・・思うの』








『・・・』








『〃やらない〃だけ・・・』







・・・。


みぞおちの辺りが

なんかギクッと鳴ったのは

なんでなんだろうな?










『なんか…もったいないとか思って

弟さんはさ体格を生かして
スポーツやってたりするじゃない?

滝川くんだってさ
やりたいこととか・・・』
















『・・・みんながみんな

そうじゃなきゃいけない?』











『え・・・?』







なんか…オレは

触れられたくない線に

触れられたような気がして








『体格良けりゃみんなスポーツやって
汗だくになってないといけない?

みんながみんな
行きたくもない学校いって

進路だ内申点だ、って気にして
センセーのご機嫌とりしてなきゃならない?』









『ぇ・・・滝川くん…』







『それやってるヤツが

そんなにエライ?』








『・・・』












『一々さ…他人と自分を…比べんなよ』







自分の思う所の〃遊び盛り〃の

夏休みだとか

そんな解放感があればあるほど

漠然とした焦りや不安を

感じる事だってあったんだ





それも

オレのすぐそばには、いつも

なんか知らないけど

やたらと出来の良い弟がいたり





しまいには

こんなクソマジメのお節介やきな



自分とは似ても似つかない



真逆のタイプの子まで現れてさ






何もない自分は

まるで悪い事でもしてるかのような

ワケのわからない罪悪感だとかさ





そういう…自分でも見え隠れして

中々わからない




焦りだとか…劣等感





いわゆる〃コンプレックス〃を



感じずにはいられなかった







そんなオレだっていたんだ

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