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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

事情はどうであれ止めなければ・・・


状況は…気持ちは…わかるから


リョウキを頭ごなしに

叱責するのも躊躇われるけれど


それでも…止めなければ


ボクは…この病院にいる医者だからさ。




・・・って、わかってるけどね




だからってさ

ボクだってこんな場面に出くわして

のほほんとしてられるほど

図太い人間じゃないからさ(苦笑)




事情は…どうであれ


弟のそんな場面に突撃するなんて

躊躇われる気持ちは

ちょっと、どころではなかった







『んん・・・ん・・・っ・・・ゃ…だ…っ』



『・・・』



『はな・・・し…て・・・ぃや…!!』




『アイル・・・∥オレ∥だってば・・・』




『ゃ…めて・・・くださ…』




『ちゃんと・・・思い出せよ』










・・・あぁ、もう



猶予なし・・・やむなし



リョウキを止める。




ボクは半開きのドアに手をかけて

思い切り開けようとした




その時・・・





『~~っ・・・キャァァァッ・・・!!』






パチン・・・っ…





思うように動けないアイルちゃんが

精一杯の抵抗をして

リョウキの頬を平手打ちして

払いのけた






カツン… ・・・・・カランカラン




反動でリョウキの手からこぼれ落ちた

アイルちゃんの指輪が

床を転がる音が微かに響いた



『わ・・・たしに…恨みでもあるんですか…?』




『・・・~』




『わ・・・わたしが…あなたに

なにしたって言うんですか・・・っ…』





『・・・』





『なんでこんなひどいことするの…っ・・・っ』





『・・・。・・・・』






『・・・出て行って・・・ください・・・っ』





涙まじりに声を震わせて

アイルちゃんがリョウキを

完全に拒否した

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