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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

まぁ、それは別に

日常的なことでないのはわかってたけどね




弟と彼女には

ふたりには、ふたりにしかわからない

色々があっただろう


そんな日々を越えて、ようやく

ひとつの節目にたどり着こうって時に



平凡に…穏やかに過ごしていた時に



突然、その日常が

こんな形で奪われてしまうのだ




残酷・・・悲劇

それ以外のなにものでもない。






ソファの前のガラステーブルには

コンビニの弁当のゴミに

空になった酒の缶がいくつも散乱している



・・・けど、それ以外は




彼女と暮らす弟の生活が

そこにはあって・・・




オトコくさい一人暮らしの空間とは

絶対的に…まったくちがう



穏やかな…温かみのある空間を

くっきりと残した部屋だ





『・・・なにしに来たんだよ』



弟はぶっきらぼうにボクに言う






『ふふふ・・・もっと荒れてるかと思ってさ』





『・・・』



ボクはテーブルの上の空き缶を

ガラガラと無造作にゴミ箱に入れて

コンビニで買ってきた酒を

弟の目の前に置く





『・・・~』


『・・・ま♪たまには飲むか』




チラリと…部屋を

リビングを見渡して

少しだけホッとする



本当に…もっと荒れてるかと思ったから



大して酔えない酒を飲んで

気を紛らわしていた弟の



その部屋の隅には

散らかった部屋に反して



彼女の着替えや何かが詰まった紙袋が

きちんと用意されていた

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