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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

ボクが…どんな気持ちでいようが

そんな気持ちも言葉も

コイツにとって、なんの救いにもならない



ボクは…喉元に出かける言葉を

ぐっと飲み込む






弟が欲しいのは、きっと

そんな言葉じゃないから。








だけどね、リョウキ



オレのその思いと




お前の気持ち・・・

お前たちの状況と、には



決定的な違いがある。




だって・・・彼女は







『リョウキ・・・彼女は

アイルちゃんは∥生きてる∥んだよ』





『・・・。・・・』






『今は…お前の知ってる彼女じゃ

なくなってるかもしれないけど

彼女は・・・生きて…この世にいるんだ』






『・・・』






『それだけは・・・忘れるな』






『・・・』







『彼女は・・・生きてる』



ボクは半ば自分に言い聞かせるように

もう一度、つぶやいた




『・・・』





『約束・・・出来ない、とは

言ったよ・・・確かに』






『・・・兄貴?』








『だからって・・・誰が

【諦めてくれ】って…言った・・・?』






『・・・ぇ』








『誰が、諦めるって・・・言った?』






すべてを諦めるには

まだまだはやい







『これは…似たような症例とか

参考までにだけどな、まとめといたから

あと…退院したあとに相談出来そうな

病院の情報と・・・それから~』




ボクは次々にテーブルに

資料や冊子を並べる




『・・・兄貴』




『・・・気休めでも良いから

目を通してみな♪…』





『・・・』




『・・・ケガの回復は順調だよ

それだけは・・・心配するなリョウキ』





ボクは立ち上がり

柄にもなく…弟の癖を真似るように


親指を立ててニヤリと笑って見せた

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