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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

ボクはすぐにリョウキに電話した。



出張だか遠征だかで

遠方に行っていたリョウキは

すっ飛んで帰ると言って



ボクはその日の夜に

リョウキのマンションに寄った







『・・・17歳・・・?』







『・・・』





リョウキは口を開けたまま

じはらく呆然としていた





『アイツ・・・そう言ったの?』






『・・・原因も…その理屈も…

なにも説明はつかないけどな・・・』





『・・・~~~』





『記憶がない…混乱している、で

済ませてしまって…実は引っかかる所は

思い返せば、いくつもあったんだけど…

なるほど…そういう事なら・・・ってな。

だからって…どう出来る事ではないけど

ただ…断片的に抜けている記憶・・・

お前のこと…オレたちの事だけ

わからない・・・って理由だけは

納得、というか…一応は説明がつくかな』






『・・・17・・・』




半信半疑だろうか

馬鹿馬鹿しい・・・と遮るのだろうか

ぼんやりと考え込んでるリョウキに

ボクはアイルちゃんの書いたメモを見せた




『…この名前・・・お前…わかる?』






『・・・?』





『・・・覚えとか・・・ある?』





『・・・。~・・・』


メモを見たリョウキは目を見開いた






『・・・自分の名前だ、って言うんだけどさ』








∥ 片 瀬 愛 留 ∥




ボクが知らないアイルちゃんの名前




考え込むと人間、時々簡単なことが

わからなくなると言うか

これを見たとき、ボクも何て言えば良いか

わからなくなって



実際、頭の中じゃ


∥実はすごく珍しい名前で…当て字で

フジサワ…なんて読まないよね?∥


だとか


それこそ馬鹿馬鹿しい事を

じはらく考え込んでしまっていた




『・・・やっぱ…なんかの間違えか?』







『・・・デタラメでも間違えでもないよ』





リョウキは一言だけ言って

メモを返してきた





訳あり・・・なんて言ったとして

どこの家庭にだって

それぞれみんな

訳のひとつやふたつあるだろう



ボクはリョウキの返答で

なんとなく察して

ただうなずいた

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