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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

なんのパフォーマンスだろう?



そんな風に思ったけど


リョウキは…パフォーマンスなんて

していなかった



口を真一文字に結んだ真面目な顔をして



けじめ?・・・ミソギ?

とでも言うつもりなのかな。








『申し訳なかった・・・ごめん』






リョウキは真顔で彼女に向き合って

じっ…と、頭を下げていた







『・・・・・・まったく…ですょ』





たよりなさげに

アイルちゃんがやっと言葉を返した






『・・・』



リョウキはピクリと反応して

顔を上げて彼女を見る







『あ・・・あなたみたいな、乱暴な人

わたし・・・初めてみた・・・

こわかった…んだから・・・』





『・・・ごめん』





『・・・ほんとに・・・ひどい人

・・・・・・~

∥キス∥・・・初めてだったのに・・・』







アイルちゃんが悔しそうに

それでいて…どこか恥ずかしそうに

シーツを掴んで涙を浮かべる






『・・・ごめん』




『・・・っ』






『本当に・・・ごめん。

謝って…済むことじゃないけど

本当に・・・申し訳ない

ごめんなさい・・・』



リョウキは…彼女の涙を拭おうと

咄嗟に伸ばしかけた手を

ハッとして引っ込めると

もう一度、頭を下げていた






『・・・それだけは、謝りたくて

今日はここに来たんだ』

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