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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

弟なりの・・・覚悟



口には出さずとも



その内に秘めた覚悟や決断が

あったのだろうけど





・・・だからってさ?

なんなんだい…その出で立ちは(笑)





仕事でもなさそうなのに

髪の毛をきっちりとセットして


暑さを増してきた空の下に

紺色の…シックなスーツ



コイツの考えてることは

ボクにはさっぱりわからない(笑)




一体・・・なんのつもりなのかな?





『・・・な、…』



アイルちゃんは動揺して

ボクの影に隠れようとしている





『・・・失礼します』




リョウキは…少し緊張を含んだ面持ちで


だけど・・・一切、迷いがないような


キリっとした顔つきで


病室に入ってきた







『せ…先生…?』




アイルちゃんは動揺し助けを求めるように

そして・・・

少し不信げにボクをチラチラと見上げる






『アイルちゃん?…少しで良いから

時間を・・・あげてくれないかな』





『・・・』




何か言いたげに・・・それでも

リョウキの姿に何かを感じたのか

アイルちゃんはコクリと

小さくうなずいた







『・・・それじゃ、ボクは♪』



ボクは入れ替わるように

リョウキとすれ違いながら退室する




『せ・・・先生・・・っ』



『・・・♪』



オロオロするアイルちゃんを置いて

ボクは姿をくらました




カツカツカツ・・・


リョウキは…アイルちゃんの前に

そっと・・・しゃがんで

目線を合わせた






『この間は・・・君に

本当に申し訳ない事をしてしまった』




『・・・ぇ』




『それから…君に、本当に

本当に失礼なことをしてしまって

本当に・・・本当に・・・ごめん』

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