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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

『おはよ・・・。・・・って』



タイミングが良いのか悪いのか

リョウキがひょこっと顔を出した




『・・・まだ、寝てんの?』




『~ちょっと早めの

お昼寝してもらってるよ♪』





『・・・』


無駄に勘の良いリョウキは

怪訝そうな顔をして

薬で眠るアイルちゃんの横に座った



きゅ・・・。




リョウキはさりげに

アイルちゃんの手を握っていた




彼女の意識が有る時は

すっかり他人行儀にならざるを得なくて

やっていないことだろうからね



ボクはそんな弟の様子を黙って見ていた






『・・・ぅ』



ピクッ・・・





『ぁ・・・兄貴?・・・アイルが』




リョウキの声に目を向けると



眠っているはずのアイルちゃんが

一瞬だけど…うなされるように動いて

僅かに…ジタバタと手足を動かしていた





『・・・手、握り返してる?』



『・・・。・・・うん』




ボクは時計を見て首をかしげる


おかしいな…薬は完全に効いてるはず


意識・・・ないと思うんだけど





『・・・なにか、あったの?』



リョウキは寝息をたてるアイルちゃんの

手を握り直して…頭をそっと撫でながら

不安げにボクに聞いてくる




『・・・ん、いや…』






『・・・言ってよ。

なに聞いても…べつに驚かないからさ』





『事故後の患者によくある

不安症の一種だと思うんだけどね・・・』




『・・・』




『あまり…ひどければ

専門の科に移すことも…考える』




『・・・そ・・・っか』

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