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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

ポン・・・ポンポン…



リョウキが投げ出したボールが

コロコロと地面を転がる





「おい!なにやってんだ?!」


「っ…た…大変だ」


「すみません!!大丈夫ですかっ!?」




台車が倒れた大きな音で

作業員たち全員がとんできた





『・・・おいっ!!』




何歩も遅れて辿り着くボクは

心臓が止まりそうだった




作業員が慌てて散乱した機材をどかした

その下には・・・




アイルちゃんをしっかりと抱えて

リョウキが倒れ込んでいた






『・・・リョウキっ・・・?!』





『・・・』





リョウキは完全に覆い被さるように

アイルちゃんを抱えて倒れていた

こめかみの辺りから血を流して・・・




『アイルちゃん・・・!!?

リョウキ?!・・・おい!!リョウキ!?』







『・・・』




『リョウキ?!……しっかりしろ!?』





『・・・ぅ・・・き…こえて…るよ

大丈夫・・・だから…』





『リョウキ・・・』





『大丈夫・・・オレ…大丈夫だから

はやく・・・アイルを診てやって…?』




リョウキはゆっくりと体を起こして

その腕の中にいるアイルちゃんを差した




頭を抱えるようにアイルちゃんは

目を閉じている



咄嗟に・・・いつの間に?

というくらい


その片方の手はリョウキのその片手と

しっかりと繋がれていた

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