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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

・・・にしても、どんだけ?



台車に高々と積まれた重機が

グラグラと揺れていて

運んでいた作業員がいつのまにやら

少しはなれて何やら電話をしている





おい・・・ちょっと、ちょっと?

仕事が荒いと言うか…乱雑な業者だな


どこの業者だろう

危なっかしいなぁ・・・(笑)





なんて、呑気に立ってたボクが

間違い・・・






『・・・?!』





作業員が離れて、残された台車は

タイヤのロックが甘かったのだろうか

台車が…グラグラと揺れて

段々とこちらに戻ってきている




あれ・・・なんか






『アイルちゃん・・・っ』




ボクの声で振り向くアイルちゃんと

リョウキがその異変に反応して青ざめる




一瞬の動揺で…ボクの足がこわばった



ボクの距離から…どんなに走っても

絶対に・・・間に合わない






『リョウキ・・・っ…!!』





危ない・・・伏せろ!!


急げ・・・!!





気持ちばかりが焦ったボクは

それらの言葉が出せずに

走りながら夢中でリョウキを呼んだ







『?!……きゃぁぁああぁっ・・・』





振り向くアイルちゃんが

頭を抱えて叫ぶ声と






『・・・アイルっ・・・!!!』





必死に走って飛び込むリョウキの声



そして、アイルちゃんの方に

倒れていく重機が…




全てがスローモーションみたいに

ボクの目と耳に…流れていく


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