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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第20章 あの夏の・・・約束

『先生・・・そんな言い方・・・』



思わぬ偶然のタイミングが

よりによって彼女に

変に気を遣わせてしまった



後部座席にじっと座って

うつむいたままのアオイさん





『・・・名前』




『え?』





『・・・下の名前』




『・・・。・・・』





『・・・∥日向(ひなた)∥って名前

よく似合ってるよ・・・。

ちっとも・・・日陰じゃない』





『・・・ぇ』





『クス・・・だからさ

そんな下向いてないで

さっきみたいに・・・前向いて

笑ってなよ・・・♪

その方が似合ってるよ』





こんな、中学生扱いみたいな言い方して

さすがに呆れられちゃうだろうか?




それでもボクは

不可抗力とは言え、この子が

ボクに罪悪感を抱く理由もなければ

そんな事を感じてほしくなかったから





『ぁ…ぅ・・・は、はぃ』




意外にも彼女は素直に?

ゆっくり顔を上げて前を見た




『ふふ・・・ごめんね?ほんと

気にしないで・・・♪』





『・・・それ・・・でも』





『・・・ん~?』





『生きてるから…とか…

そうじゃないから・・・とか

そんなこと・・・言わないで下さい』





『・・・ふ…(苦笑)』



変に真面目ちゃんで…扱いにくいなぁ


ごまかせそうにない相手って言うのは

ボクは結局・・・お手上げだからさ





『・・・それじゃ、先に

少しだけ∥寄り道∥しても良いかな?』



さっきまで笑顔だった彼女が

あまりすまなそうにしてるから

ボクはあえてそう告げた

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