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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第20章 あの夏の・・・約束



『・・・もしもし。

すみません…ずっとうやむやで』




∥『ん?あぁ、その話ならいいんだ♪

気が向いたら~くらいでいーよ』∥





『・・・は?・・・(苦笑)』



この先生は、この先生で相変わらずというか




∥『設備の関係でね

うちで手術出来ない患者なんだけど

そっちに転院して手術するんだけどさ♪

お前、手伝ってくれない?』∥





『・・・は???(笑)』



・・・相変わらず、かもね…ほんと

この無茶振り。




『浅田先生…~無茶振り過ぎません?(笑)

第一…オレ、管轄外って言うか

組織内って…そんな融通利くもんじゃ…』




∥『アッハハハハハ!♪やっぱ?(笑)

いや~ダメ元でってな♪…~

手先の器用なヤツがいたほうが

リスクが減らせると思ってさ~』∥




『・・・(笑)』




∥『ちなみに…その患者・・・』∥




ボクは自分の用件はまた改めてと

電話を切ろうとしていた時だった




∥『・・・◇▲▲〇〇~』∥





『・・・ぇ?』




ピタリ・・・


その病名を聞いたボクは

一瞬だけ脳が一点に集中…停止した





∥『ハハ・・・ま、言ってみただけ♪

悪かったな~忙しいとこ…じゃ、また』∥






『・・・浅田先生・・・待ってください』





∥『ぉ♪…食いついた?(笑)

いや~滝川が手伝ってくれれば…~』∥






『・・・いえ・・・そうじゃなくて』







∥『・・・うん?』∥











『・・・オレに・・・やらせて下さい』










なんて事を言ってるんだろう


自分でも、そう思うけど






∥『ふふ・・・なんか、お前なら

そう言うんじゃないかって気がしたんだ』∥




浅田先生がニヤリと…手応えを掴むように

笑った顔が電話越しに伝わる。



理由なんか…ないけど




ボクは…なんのために

死に物狂いでここまで来たのだろう

そんな原点に返っていた






今なら・・・やれる


オレが唯一・・・何よりも憎んだもの






今なら・・・オレは



∥病(そいつ)∥に勝てる






そんな気がしていたんだ

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