 
Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第20章 あの夏の・・・約束
パンフレットの地図をくるくると回して
にらめっこしながら顔をしかめるのは
セーラー服の女の子
地図がわからない
典型的な方向オンチ(笑)
結構多いよね?こういう女の子
『(笑)・・・大丈夫??』
『ぁの・・・すみません
OBの方ですか・・・???』
恥ずかしそうに頬を染めて
ついにその子はチラリとボクを見上げる
『(笑)・・・どこ行くの?
案内してあげようか』
『ぃ・・・医学部は…どっちでしょうか?』
なんと・・・(笑)
『・・・ボク今からそこに行くとこだから
ついておいで・・・(笑)』
『ぇ…ほんとですかっ??
ハァ~良かったぁ・・・ラッキー』
緊張がほどけたように
その素顔と若さを見せて
ホッとしているらしき女の子
コラコラ・・・キミ♪
知らない人に付いていっちゃダメって
お母さんに習わなかったのかい?(笑)
なんてね♪
『電車も乗り間違えちゃうし…ぇへへっ
もう朝から散々であたし・・・っ』
すっかり気を許してボクに話しかける
その無邪気な声にボクの方がちょっと
気が引けちゃうくらいでさ(苦笑)
さっさと送り届けて
浅田先生の講義に向かおう…なんて
思っていたボクは
『どうなるかと思って…ぁはは
すみません、ありがとうございますっ』
無邪気な…その声と
ボクを見上げるその笑顔を
初めてまじまじと見たボクは・・・
そこに・・・なんとも言えない
違和感を覚える
 
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