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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第20章 あの夏の・・・約束

忘れない・・・。




忘れないよ・・・君のことは




生命にはみな…終わりがあるけれど




のこされた僕は




その生(せい)のあるうちは


自らの…その役割を全うする





だから僕は


今度は・・・僕が


彼女から与えられたその天命を


僕のこの命がある限り


全うして行こうと思う。






人間は・・・医者は

神様ではない。



人が人に出来ること


僕が誰かの為に出来る事は


ほんの僅かかも知れない。




時には、それは

ほんの・・・一瞬の∥延命∥でしかない




だけど…そのひととき

その一瞬の…その命を救うことで



その与えられた時の中には

きっとその人の生きる意味がある。



例えば大切な人に何かを伝える一瞬


例えば一目…家族に会う一瞬


ありがとうを・・・伝える一瞬





それはきっと・・・計り知れない


なにものにも代えがたい


大きな意味をもつのだ




旅立つ人にとっても

遺される人にとっても。





だから僕は・・・これからも


この命がある限り


ひとつでも多くの命に




それが…一年でも・・・一ヶ月でも



それがたとえ


わずか一日であっても





その儚い・・・尊い命に



生きようとする命に寄り添って



生きていこうと思う。

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