テキストサイズ

Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第20章 あの夏の・・・約束

例えば、あなたの周りにいる



一見…悩み事なんて欠片もなさそうな

目の前の人間が




実は誰よりも繊細で傷付いて


悲しみを背負った人生を


生きているかもしれない





他人のことなんて結局はわからないから

人はいつだって

他人の痛みには鈍感なんだ




出来るなら

傷つかない方が良い




痛みなんて

知らない方が良い





痛みを知るには


それなりの∥勇気∥と∥覚悟∥が


必要だから



だから・・・人はきっと誰もが

傷つくことを恐れている




傷つくことは・・・つらいこと


苦しいこと





だけどそれは反対に



あなたが



∥やさしさ∥を知ることでもあるんだよ。






あなたが…痛みを知る事は



あなたがひとつ



やさしくなれることでもある・・・。




ただの僕の人生経験上の

ひとつの答えみたいなものなのだけど


色んな人に関わりをもって生きる人生

最後に厄介なのって・・・それは、やはり



【痛みを知らない同族・同類】



だと思うんだ。



人生でなんらかの辛さを経験していれば

みんなだって…誰だって一度くらい

思った事があるんじゃないのかな



【同じ◯◯なのに】・・・とかってさ




同じ女なのに…男同士なのに

同世代なのに…同じ経験したはずなのに

同じ・・・医者なのに

同じ・・・・・人間なのに




同じ何か…のはずなのに

そこには



その痛みを知る人間と

そうでない人間がいる


思いやりを持てる人間と

そうでない人間がいる。



そればかりが

最後に越えられない垣根だと

僕は思う



それは経験や境遇の違い

一言に【人それぞれ】と括れば

それまでの事だけど



その痛みを知らない事が

決して罪ではないと思うけれど




少なくとも僕自身は

人の痛みのわからない人生より

誰かの痛みに寄り添える心でいられる

そんな人生でありたいと思っている



だから僕は

傷つくことを

恐れずに生きていたい






人の痛みを知ることは


あなたが傷つくことは


誰かの痛みに寄り添うことは


あなたが強くなり


またひとつ・・・


やさしくなれることなんだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ