
ねぇもう嫌・・・
第11章 検査③
もうこれ以上現実を見ていたくなくて、目を閉じた。
閉じた瞳から涙が溢れて止まらない。
私は、言われたことに背こうとしているわけじゃない。
私にはもう耐える力がないんだ
これまでの体験から散々自覚してきた。
もう、だめだ…
どうしたらいいんだろう…
苦渋の気持ちが全部、涙となって、体外に溢れた。
『管差し直すよ。』
突然聞こえた柊先生の声で、咄嗟に目が開いた。
「…っ」
慌てて柊先生のいない方向へ頭を向けた。
一旦ベルトの留め具が外れ、一切の隙を見せずに先生を含めた看護師に足を押さえつけられた。
柊先生は少量のジェルを全体に塗ってからゆっくりと管を挿入した
途端に全身に鳥肌が立つ。
『もし体調が悪くなったりしたら教えて。』
柊先生は再度ベルトを締め直すと、それだけ言って裏の方へ戻っていった。
「あと少しだよ。」
先生のことが嫌になって、胸が苦しい。
「っ…」
