
ねぇもう嫌・・・
第11章 検査③
「もう、無理だ…っ」
手の自由さえ奪われた私の涙は、横に流れ落ちる。
「大丈夫。陽菜ちゃんなら絶対頑張れるから。」
「ちゃんと検査を受ける約束したよね。ずっと隣に居るから、頑張ろうよ。」
「…っ」
先生は私の気持ちを一つも知らないんだよ。
分かったようなこと言わないで…
『また最初からやるの嫌でしょ。』
柊先生が口を挟んだ。
柊先生は私の足を左右にあるベルトで固定した。
「嫌っ…」
両手足が台に縛りつけられてしまった。
離れていく柊先生や看護師さん達を引き止めることもできず、ただ天井のやや左を見つめるばかりだった。
