
ねぇもう嫌・・・
第13章 治療
『此処?』
柊先生が痛む場所をぐっと押した。
途端に激痛が走った。
「ぅっ…痛いっ…もーやだぁ…」
『此処か…。さっきのエコーでまさかとは思ったんだけど。とりあえず出して終わりにしよう。』
看護師にエコーを片付けるように指示をすると、柊先生は再び私の隣に来た。
『どう?出そうな感じする?張りも来てるしそろそろ…』
「っやだ」
またあの醜態を晒したくはない。
絶対に嫌だっ。
『もう駄目。』
「…やだっ……」
だけどそれをされるんだという核心に近づく度に、胸の真ん中が痛くなって
『もう待てない。』
「っ…やだぁ〜っ…」
痛くて苦しい…
『お腹張ってて苦しいでしょ。少し触るよ。』
「っやだっ」
慌てて先生の手を掴む。
『手邪魔。』
「っ…」
思わぬ厳しい言葉にすぐ手を離した。
『力抜いて、ゆっくり息を吐いてごらん。』
気持ち肩の力を抜き、鼻で静かに深呼吸をした。
既に周りの看護師は検査室の裏に去り始めている。
柊先生の手は徐々に蜜部に近づいていく。
少し大袈裟に鼻をすすっても、柊先生の動揺する気配は一向に見えない。
柊先生は私の足を強引に開いた。
慌てて顔を背ける。
