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ねぇもう嫌・・・

第3章 病気発覚




すぐに名前が呼ばれ、診察室に入った。


ついさっきまで喘いでいた私を先生はまるで気にしていないみたいに話す。


「さっきはありがとうね。お疲れ様。」


私は浅いお辞儀をした。


「ひなちゃんの病気なんだけど…」


先生は冷たく、また優しく言った。


あまりのショックにもはや言葉がない。


「エコーの結果も併せて考えると、膀胱にも問題がある。一度きちんと精査する必要があるね。尿がうまく出せなくなっているんだ。」


平易な言葉を選んでいるのがひしひしと伝わってくる。


分からないのは私だけ。


病気になったら、こんなことを、これからもずっと続けていくのだろうか。


それでも世界は廻る。


私の瞳に映った先生の姿はやはり怖くて、涙が出そうだった。


「そう、なんですね」


できるだけ気持ちを悟られないように。


ベージュの床を見つめたまま、髪を耳に掛けながら答えた。


「確かに治らないとは言ったけれど、きちんと対処していけば問題ない。」


一般的に、医師の言葉は力強くて信用に値するものだ。


けれど今は、大袈裟に明るく言っているように聞こえる。


「治療は…?」


反抗するような態度で、それでいてか細い声で聞いた。


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