
ねぇもう嫌・・・
第3章 病気発覚
先生は、私から質問されるのはやや想定外のような顔をした。
でもすぐに持ち直す。
「治療は…基本的に薬の服用。手術は今のところ必要ない。定期的に検査して確認してしていくことになるかな。」
どれも、誰しもが気になる部分なんだろうと思った。
それを聞いて、人はどんな気持ちになるんだろう。
私は、聞きたくない、ひとつも記憶せずに家に帰りたいと思った。
「ぃ、痛い ですか…?」
ふと頭に浮かんだ、闘病=痛い の方程式。
それだけ聞いて、せめて安心して終わりにしようと思った。
知識ゼロの質問を、先生は真剣な眼差しで答えてくれた。
「痛いかぁ…。痛いの嫌だ?」
想定していたより早く自分の番が回ってきて、慌てて頷いた。
それを見て"うんうん"と相槌を打つ先生の前で、また泣きそうになった。
これは、私の気持ちの氷山の一角なんだろう。
自分を悟った。
先生から、当たり障りない肯定的な言葉が述べられた。
「僕と一緒に頑張りましょう。」
最後の言葉は、たしかに私の背中を押した気がした。
