
ねぇもう嫌・・・
第13章 治療
素早く着替え、面と向かうように丸椅子に座る。
『本当は来月の頭に受診だったのか。』
柊先生が呟いた。
『じゃあ明日ね。検査入れとくから。』
「…」
『何度も言うようで悪いんだけど、何かあったらすぐ此処に来て。』
「…」
『第一に駆けつけるよ。誰よりも優先させる。…約束する。だから、放置しないで病院に来て。わかった?』
私と向かい合い、柊先生はそう言った。
柊先生の病院は規模が大きく、診察の待ち時間が小一時間かかる時もある。
だから、嬉しかった。
私だって周りの患者(ヒト)と変わらないのに、"誰よりも"って…
それだったら行きやすいかもって思った。
『あとは、何かあったら保健室の先生に言う事。俺から先生に君のこと伝えてあるから。』
「はい…」
『うん。明日、もし俺が検査に立ち会えたら、その時はまた宜しく。』
「……はい。」
柊先生は"会議だから学校に戻る"と最後に付け足して私を病院の外まで連れ出した。
