
ねぇもう嫌・・・
第15章 エコー
『最悪その体勢でも出来るから、このままやろう。』
またあの機械を準備する音が響く。
『あと、袖掴むな。動きにくい。』
「っ…」
目を瞑ったまま、慌ててそっと手を離した。
すると柊先生の椅子に座り直す音がして、
『いいよ。』
って、柊先生が自分の白衣を私に掴ませてくれた。
…よくわかんない優しさにまた涙が溢れた。
冷えた身体に、涙だけが熱くて、
蕩(トロ)けそう。
『望月、フォローいいよ。画像見てて。』
「あっはい…」
不満げな声と同時に看護師の手が肩から離れた。
『うん。じゃあいくよ。』
