
ねぇもう嫌・・・
第15章 エコー
瞬間、ヤバイって思った。
やっちゃった って。
顔がまた柊先生の白衣に触れるように横を向いた時、涙が零れた。
それは止まらなくて、
看護師がまた起こそうとしたけど、頑なに力で拒んだ。
「んっ…ぅ……っ」
脇腹に付着したままのゼリーが冷たく感じる。
涙で頬が濡れ、それもまた冷たく感じた。
「陽菜ちゃん?」
『駄目?出来ない?』
空気の読めない柊先生の質問。
駄目だから拒んでるのに…っ
『……』
診察室の雰囲気が一気に重苦しくなる。
泣いて、涙が止まらなくて目を瞑ったままの私。
不意に動く柊先生の白衣。
離れて欲しくなくて、ぎゅっと掴んだ…
