
ねぇもう嫌・・・
第16章 出会いは必然か
ヤバイ…もうほんとに……泣きそう。。
『あれっ…君って……』
「っ…」
やっぱりバレてる…?
でも、医者って自分の患者覚えてるもんなの?
その声といい容姿といい、あの時から何一つ変わってない。
変わったのは、私だけで…
高校に入学してからも忙しい日々が続いていて、色んな意味で満喫してた。
でもあの人にとってはやっぱりなんでもない日なんだ。
『何があったの?』
「…っ」
再び囁かれたその声。
平常心で居られない。怖くて声が出なくなる…
『…本当に君は喋らないんだな。』
ため息と共に吐き出された言葉。
「……バレーで…」
"私はあの頃とは違う"
"もう昔の事"
今までのことを掻き消すように、言葉を選びながら懸命に話した。
