
ねぇもう嫌・・・
第17章 3人目の先生
『痛かったら痛いって言わなきゃ駄目だよ?』
「っ…」
鼻をズズッと吸った。
…分かってる。
そんなこと分かってるけど…
…認めたくない。
「痛かった?」
佐藤先生の触診を、ドクターチェアに座りながら見守っていた綺羅外来の先生が、再度私に訊いた。
「んっ…っ……ぅ…」
涙が溢れて、嗚咽で何も言えなかった。
『転んだ時に一緒に床に打ちつけちゃったかもしれないね…。』
「そうですね…。」
『…ひなちゃん。泣かなくていいよ。』
「っ…」
先生達から顔を背けしゃがみ込んだ私は、涙を流し続けた。
『大丈夫だよ、分かって良かった。』
佐藤先生が優しく笑った。
佐藤先生が下ろしたジャージを元に戻してくれた。
足に触れる衣服の心地が私に安心を与えた。
