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ねぇもう嫌・・・

第18章 診察



扉の前に来ると丁度扉が勝手に開いた。




扉を自力で開けづらい私にとって、良かったと思うのも束の間。




入った直後、私は硬直してしまった。




「えっ…」




咄嗟に下を向いた。




『こんにちは。』




爽やかに挨拶するその人物は、




柊先生に他ならなかった。




「ひなちゃんこんにちは。

浅田先生の所じゃなくてごめんね。

僕の方で診たかったからさ。

あと…柊先生も来てるけど、気にしなくて大丈夫だからね。」




「…」




頭の中が混乱してる…




怖い…。




「早速だけど、腕の痛みはどう?」




佐藤先生が私に訊いてきた。




「っ…」




だけど、返事する余裕すらなかった。




"此処"に来た時点で、何をされるかなんてとっくに予想出来てて、




それは私には耐えられないんじゃないかって事も何となく察してた。




まさか柊先生が居るとは思わなかった…っ




あの時の記憶、蘇っちゃうじゃん…っ




「…まだ痛い?」




佐藤先生に催促され、私は少し頷いた。




「そっか。」




「柊先生、今日大丈夫そうですかね?」




『…大丈夫でしょう。本人も察してるかと思いますし。』




「っ…」




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