
ねぇもう嫌・・・
第18章 診察
「ひなちゃんもう1回ベッドに寝てくれる?緋山先生、手助けお願いします。」
そのまま言われた通りに女の看護師に身を任せて、診察台に横になった。
仰向けになったまま下の方を向くと、佐藤先生が白い手袋をはめるのが見えた。
「っ…」
鼻の奥がツーンと痛んで、目の縁から涙が滲み出てくる…。
カラカラというドクターチェアが動く音。
心臓がバクバクと拍動を早めた。
「ひなちゃん、こっち見て?これからお薬塗るからね。染みるようだったらちゃんと言って?」
「…んっ……ぅっ…」
遂に嗚咽が漏れた。
手を動かせなくて、溢れる涙は重力に従ってこめかみに垂れていく。
「ひなちゃん、そんな泣くことないよ。」
「ん…っ…」
「ひなちゃんはいつも泣いてばかりだね…。
先生は薬を塗るだけだよ?」
佐藤先生はふと立ち上がってデスクに戻り、またこっちに戻りながらそう言った。
