
ねぇもう嫌・・・
第19章 レントゲン
ガチャ
『失礼、~…』
誰か入ってきた?
医師と技師の会話。
朝聞いた声と似てる…
立ち上がったまま、今カーテンを開く勇気もなく、動くにも動けなくて、静かに耳を済ました。
『~』
「~」
ブツブツと呟く声。
何一つ聞き取れない…
諦めて鼻をズズッとすすった。
『…誰かカーテンの裏で泣いてる?』
「っ」
やばい、ばれた…っ?
慌ててカーテンを掴んでいた指先をそっと離した。
シャッ
「…っおい。」
咄嗟にしゃがんみこんだ。
「っ…」
最悪…
「脱いだなら早く出てこいって。」
「っ…」
怒られて、また涙が溢れてきた…
『ほら、早く撮るぞ。』
技師に腕を掴まれ、そのまま持ち上げられそうになるのを必死に拒んだ。
こんな姿、見せたくない…。
だけど、力も到底叶うはずなくて…
「立てって。」
「んっ…」
「あんまり迷惑かけんなよ。」
腕が痛くて引きちぎれそう…っ
もう嫌だ、ここまで来たら絶対やりたくない…っ
