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ねぇもう嫌・・・

第19章 レントゲン



その状態は暫く続いた。




奥にある技師さんが沢山いる部屋の方がなんとなく騒がしい気がする…




少し肌寒くて手先が悴む頃、奥から1人男の技師が走ってきた。




靴を見ると、さっきの技師とは違う人みたい。




「下脱げる?」




「っ?」




「ごめんねっ、1枚だけっ。」




他の技師からも催促…




「脱げるね?」




「っ…」




その技師に背中を押されて、カーテンの裏へ連れて行かれた。




「脱いだらまた同じ所で立って。」




そう言ってカーテンを勢いよく閉められた。




「…」




渋々最後の一枚を脱いだ。




途端に涙が溢れてきて、視界が歪んだ。




泣いたらもっと外に出づらくなるのに…っ




泣くまいとすればする程涙が溢れて頬を伝う。




「っ…ぅっ……」




私はしゃがみこんで顔を隠した。




ポロポロと流れる涙が、ひんやりと冷たい床に落ちて跳ねる。




「ねぇ、そろそろいい?」




「っ…」




一度溢れたら止まらなくて、もうどうなってもいいやって思ってしまいそうになる。




意を決して立とうと思ったその時




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