
ねぇもう嫌・・・
第21章 検査④
トントントン
はっと目が覚めた。
「無事に終わったよ、お疲れ様。」
「っ」
慌てて起き上がると、身体はタオルで隠れていた。
如月先生と神木先生は隣でチェックしてる。
あとのもう一人は途中で出ていったのか、居なかった。
あー…寝ちゃったんだ、私。
寝息とかやばかったかな…。
意地でも起きていたかった…。
「ごめんね。今チェックしてるから。
上着は此処に置いておいたからね。」
「…」
軽く頷いて、上着を手に取る。
「っ」
ポロっと手からすり落ちたのはブラ。
あっ…。
どうしよう、人前で付けたくないー…。
医師二人はコソコソ話し続けてるし、
きっと目線はこっちに向かないんだろうけど。
「…」
でも、着るしかないよね。
…よしっ。
タオルを外し、サッと腕に通す。
手際良く、
さも恥ずかしいという感情を前に出さないように。
「…」
どうにか、上着まで着ることが出来た。
ボタンを留め、再びタオルを手に持ちぎゅっと力を込める。
大丈夫大丈夫。
もう泣かない。
そう言えば暁くんも、よく心エコーやってるって言ってたっけ…。
男子だからそりゃ楽だよね。
フツフツと湧いてくる感情を押さえながら、チェックが終わるのをじっと待った。
