
ねぇもう嫌・・・
第22章 時に神を憎むほどの出来事が襲っても…
コンコンコン
扉をノックする音でふと目が覚めた。
枕元に置いてあるスマホの電源をつけると、19という文字が見えた。
「っ…」
寝すぎたぁ…。
重たい身体を手でゆっくり起こす。
テーブルの上にはラップがかかった夕食が置いてあった。
同時に誰かが近づいてくる。
『おはよう。』
柊先生がベッドのそばの椅子に腰掛けると、
私は両手を顔に当てて顔を隠した。
『ご飯食べな?』
柊先生の声に少し安心する…
「うん……」
返事はしつつも、食べる気が起きない。
身体は怠いし、今日は本当に疲れた…。
『…食べれなさそう?』
「…」
『…食欲は?
ある?』
「…」
"ううん"の"うう"が言えなくて、無言で首を横に振った。
柊先生が自分の右手をベッドの際に置いた。
その手の親指が他の四本と絡み合う。
細く逞しい指。
サラサラと擦れる音は気にもさせず、
無意識に魅(ミ)とれていた。
『無くても少しは食べな。
…これは命令だよ?
いつもと同じを生活している中で、こうやって毎日朝と夜にチェックしたいから入院させてるんだ。
…食べてもらわなきゃ困るの。
ほら、箸持って。』
そう言って私の指に箸を近づけられた。
「っ…」
柊先生の手が私の手に触れ、
ドクッと胸が高鳴る。
そっとその箸を掴むと、柊先生が一つずつ丁寧にお皿のラップを外してくれた。
