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ねぇもう嫌・・・

第23章 夢のようで 涙はきっと現実






「っ」




突然私の頬に布が触れた。




乾いて冷たくなった涙が拭われた。




「泣かなくていいのに。」




思わずその方を向くと、先生がそう呟いた。




「…あと少しだよ。」




先生はそう言うとまた喋らなくなった。




先生の真意は分からない。




でも、胸がチクリと痛んだ。




医師や看護師がバタバタと歩き回る、いつも私ひとりが検査台に寝かされて…




まるで放置されているような感覚だったから、




さっきと違って、




先生が隣にいることで、ほんの少し安心する…。




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