
ねぇもう嫌・・・
第9章 超絶ドSドクターの登場
礼儀正しく、ノックを3回。
『どうぞ。』
扉を丁寧に閉め、先生と面と向かう。
イメージしていたより低い声だ。
早足で椅子まで歩きサッと座った。
『笹川さんね?』
顔をチラリと見られ、目が合った。
「…はい。」
この先生、人が欲する見た目を、ほとんど持ち合わせているような気がする。
男らしい肌の色に、キリッとした眉。
二重で大きな瞳、綺麗な鼻筋、そして、薄い唇。
い、イケメン…かも……。
『片桐からの紹介か…』
“先生”と付けない辺り、もしかしたら知り合いなのかな?と私は思った。
『君は自分の病気を把握しているかい?』
「っ……」
病名みたいなのは最初に先生から知らされたから、
遠慮がちに頷いた。
『じゃあ今説明してみて。』
「…え」
先程の問いからコンマ2秒。
私は言葉に詰まってしまった。
『…』
少しの沈黙が続いた。
『自分の病気、知ってるんでしょ?』
先生が私を煽ってくる。
「っ…」
もう涙目…
