
ねぇもう嫌・・・
第9章 超絶ドSドクターの登場
『…君がどれくらい理解しているのか把握しておきたいんだ。』
「…」
沈黙が流れた。
キーンという耳鳴りのような感覚に陥る。
『難しい?』
「っ…」
診察してもらうのに、こんなにも無知なんて。
情けない…情けないっ…。
こんな自分が憎い。大嫌いだ。
歯を食いしばって涙を堪えた。
柊先生が私の頭のレベルに合わせて細かく説明してくれた。
『君の病気は先天性だ。』
にしても、先天性…?
先生はそんなこと言わなかった…。
『自然に治ることも稀にあるが、一生もんの病気だと言っても過言じゃない。だからこそ、通院する意味と価値を正しく捉えてほしいんだよ。』
柊先生は最後に"何も、君が悪い訳では無い"と付け足した。
先生が教えてくれなかったのは、私がこれを聞いてショックを受けるだろう って配慮をしてくれたからなのかな。
その裏には、
"何も知らせずに治療をさせた方が良い"
という考えが根底にあるような気がする。
「…」
「まずは…治療前に、前の病院ではできなかった精密検査をやっていく。他の先生にも相談して複数人体制で慎重にやっていく予定だ。」
柊先生は私とパソコンを見ながら説明してくれた。
