卑怯なボクは深海魚
第6章 知りたい不可思議
彼女の方をチラッと見ると――――…
サッカーの応援は、買い物のついでに来ました感の強い姿に俺の気は一気に削がれた
――――俺の試合はついでかよ…
彼女の姿なんて視界にいれるのも無駄な気がして…つい、他の応援席を見てしまう
と――――――――…彼女達の後ろ…
観客席の出入り口に…
やけに目立たないようにと…深々とキャップをかぶり直す人影が目に止まった
――――…辻山 健…太?
入り口の影…
帽子と…メガネ姿ではあるが…
制服とは違い…少しカジュアルでスポーティーな出で立ち…
女とは違い…華やかさはひとつも無いのに…
俺の視界は――――…辻山 健太をしっかりと確認できた!!
――――…ヤバイ…
――――ヤバイ!!
そこから――――…
終了のホイッスルご鳴るまで…
俺は断片的にしか…記憶がない