卑怯なボクは深海魚
第7章 再び木の下
――――…サンキュウ…?
――――…助かった…?
ボクは先輩の横顔を見つめたまま――――…固まる
――――何を…言っているんだ?
先輩は…地面の影を見つめたまま…動かない
だって…ボクは先輩にそんな事を言われる覚えがないのだから――――…
「――――――――…彼女さんと…間違えてませんか?」
やっと絞りでた台詞だった…
先輩が…ボクの姿を見たなんて――――…到底…思えなかった
「――――――――…いや、お前に言ってるんだよ…
辻山 健太――――…今日…観てたの…知ってるから」