テキストサイズ

卑怯なボクは深海魚

第7章 再び木の下


――――好きなのか?



先輩の声がダイレクトに耳に届く…



ヤバイ……



なんて答えたら――――…いいのか…


でも、ここまで――――喋っておいて…そこを濁す意味も解らない…




ボクは…うつ向いた顔をあげ…



隣に座る先輩をまっすぐに見た――――…












「…好きでした……


新入生の部活案内で…サッカー部のパフォーマンスを見て…


先輩に一目惚れしました――――……」









沈黙が流れる――――…そりゃぁ…そうだ




男に告白されるなんて…



今まで無かった事だろうし…




「――――…先輩の事を…あの日…見かけて…

ボクは【欲】を出したんです…



先輩の弱味を握って――――…一生経験できないと思っていた“キス”を――――…



好きな人とのキスを…経験したくなったんです」





ボクは…先輩の切れ長の…凛々しい瞳を見つめ――――…




嫌われてもいい…




全てを告白しようと…



心に決めた――――――――…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ