卑怯なボクは深海魚
第7章 再び木の下
「先輩…そんな顔…しないでください…
けっこう前から…諦めていたことですから…
それに――――…卑怯な形でしたけど…ボクなりに…報われたキスは…出来たつもりですから…」
先輩にとっては…黒歴ですけど――――…
そう…言いかけて…その言葉をボクは飲み込んだ…
「それに……ボクはもう、先輩と…関わるつもりは…有りませんから…
安心して――――…残りの高校生活を送ってください…」
気がつくと…公園は夕方を呑みこみ…
夜の空を迎え入れようとしていた――――…
あの日の様に夜になる……
先輩と――――…さよなら…しないと…