卑怯なボクは深海魚
第9章 好きで…いいですか?
弱気な発言に先輩が小声で「バーカ」と、言うのが聞こえる
「なんかさ――――…こんな事って…俺的に無くてさ…けっこう新鮮だったりするんだよな」
「こんな…事?」
先輩はボクの隣で照れたように笑った
「ほら、俺って――――…いい人キャラで、通ってるし…すげぇイイコってイメージだろ?
他のヤツとか…絶対俺に対してドタキャンとかメール無視とかしないからな」
あ――――…言われて見ればそうかもしれない
先輩を無視なんて…絶対…他の生徒はしないし…先輩もしなさそう
「辻山みたいに…俺を付け離すってことはしないだろ?
逆に――――…俺に気に入られたいって感じがアリアリで…」
「なんか…接待されている何処かのお偉いさんみたいですね」
「だろ?――――…気持ち悪かったんだよ」
少しだけ悪い顔の先輩――――…
ボクにだけ見せる…ニヒルな顔…
ドキンっと――――…する