卑怯なボクは深海魚
第10章 違和感のある感情
――――まっ…辻山はそのくらいが丁度よくて俺はいいのだが…
「それより…先輩?どうしたんですか?」
辻山は、俺が話しかけたことを気にかけていた
それもそのはずだ…人目を避けていた俺たちは登下校はもちろん…学校では気軽に話したりする事はなかったから…
「――――…いや…別に」
「あ、兄さん…映画見て来るっていってたね?先輩と行くの?」
「///あ、うん…そう…遅くなるって母さんに言っておいて?」
「うん、解った――――長谷川先輩…兄をよろしくお願いします」
俺に深々と頭を下げた弟君は…じゃぁね~っと、あっと言う間に人ゴミに消えていった