卑怯なボクは深海魚
第10章 違和感のある感情
「――――に、しても…誰も居ないな…へ?この映画が人気ないのか?!」
座席指定で後ろを取ったが…俺たちの他に…前方に客がチラホラ…
「――――…ホ…ホラーですし…それに…この映画…初日は先月頭です…話題性のピーク時期も過ぎてるのでは?」
「マジか!?俺はスッゴク楽しみだったのに!!」
隣の席で…少し落ち着かない辻山はハハハっと固い笑いを見せる
「――――ん?どうした?トイレなら今いっとけよ…そろそろ始まる!」
ソワソワ=(イコール)トイレと思った俺は辻山を促す…
と――――…
上映開始のブザーが鳴る…
「辻山…大丈夫か?トイレ!」
「///トイレじゃないです!大丈夫ですから!気にしないでください!」