卑怯なボクは深海魚
第1章 見なかった事には出来ない
と、その重い空気を感じてか――――…先輩は、部活のカバンを掴み歩きだした
「――――…じゃぁ…な」
ハッと先輩を見ると…先輩は駅に向かって歩き出していた――――…
“じゃぁな――――”
ボクたちは、会話と言う会話なんかしなかった…
脅されてしたキスが終われば――――…
ここにいる意味だって無い
先輩が――――…ボクを避けるようにこの場から去っただけの事
ボクの存在は――――先輩にとって…汚点でしかないのだから
先輩の背中がどんどん小さくなっていく――――…
ボクの…汚い【欲】は…
ボクを最低の人間にして――――…再び…深海に沈んだ