卑怯なボクは深海魚
第16章 積らぬ雪の運命
「受験ご苦労様でした!
合格――――…おめでとうございます!今日、先輩から聞けて良かったです!
こうやって合えて――――…“おめでとう”が言えて本当に良かった」
「悪かった――――…もっと早く伝えたかったんだけど…なんか…嫌な予感が――――…」
「嫌な予感――――…?何ですか…それ…」
そんな言い訳――――…聞きたくないはずだ…
多分…辻山は、俺との関係をこの日まで待っていたに違いない
受験が終わったら…
合格したら…
俺から連絡があったら――――…
我慢していた関係を進める――――…そう、決めていたはずだ
“ボクを抱いてください”
辻山だって――――…男だ…恋人に【欲】を求めて当たり前
俺は――――…その願いを聞き入れないといけない義務がある