卑怯なボクは深海魚
第16章 積らぬ雪の運命
嫌いじゃなかった――――…
好き――――…だったはずなのに…
俺は
辻山の世界にヒビって――――…避けた
逃げた――――…
逃げたんだよ
「――――…酷いこといっぱい…したのに…フラれて当然なのに…
別れたくなかった……なんて…やっぱり俺は最低だ――――…」
「春太――――…我が子ながら…最低な事を言ってるぞ――――…」
「――――だよな…
ねぇ、父さん――――…父さんと母さんはどうして別れたの?」
親父は俺の質問に困った顔をしつつ…ため息混じりに答えた…
「父さんと母さんは――――…互いに見ている景色が違ったんだ…
父さんは母さんの仕事を理解してあげられなかった…
母さんに専業主婦になって欲しかったんだ…でもな…母さんは仕事を優先した――――…」
「今思えば――――…理解する時間は沢山あったのに…父さんが…逃げてたんだな…」
笑えない――――…
似たもの…親子かよ…