卑怯なボクは深海魚
第17章 【最終章】卑怯なボクは深海魚
先輩が――――…
やっとボクに合格したことを伝えたその日…
お別れを告げた――――…
寒い…公園に呼び出したのに
先輩はすんなり来てくれた……
先輩がボクを避けていたのは大分前から解っていた
時々会う屋上で唇を重ても――――…反応が薄くて
その都度落胆する
でも、悟られないように――――…おどけて見せる
先輩からは…すでに男の香りが消えていて…
首筋や胸元から…女の香りがするときがあった
やっぱり――――…先輩が女性の体を求めた事は薄々気がついた
男はパートナーの浮気に鈍感だけど…
ボクは違うみたいだ…
敏感で――――…察しがいい…